2013年6月18日火曜日

ブラジルで値上げとW杯巨額出費への抗議行動


 ブラジル各地で6月17日、政府への抗議デモが起き、計20万人が参加した。最近の公共輸送料金の値上げと、来年のサッカーW杯ブラジル大会の「巨額の出費」に抗議するためだった。

リオデジャネイロでは若者10万人が集結し、中心街に向けて行進した。抗議は市議会に向けられたが、一部暴徒が議会建物に侵入を試み、火炎瓶を投げ、付近の商店が略奪された。警察機動隊と衝突したが、警官60人が議会内に避難した。

ブラジリア、サンパウロ、ポルトアレーグレ、ベロオリゾンテでもデモがあった。各地で負傷者や逮捕者が出ている。

15日ブラジリアでサッカー・コンフェデラサウン(地域連合)杯争奪戦が日本・ブラジル戦で始まったが、これに先立つ開会式で、登場したジルマ・ルセフ大統領はしばらく野次られ、話ができなかった。

大統領は17日の抗議行動について、「平和デモは正当であり、民主主義そのものだ」と述べ、事態を冷静に受け止めている。

それにしても、ブラジル人にとって「宗教」とも言えるフッチボル(サッカー)のW杯大会自国開催を批判する言動が現れたのは珍しい。それは、「サッカーよりも生活」と考える市民が少なくないことを示している。