ローマ法王庁は3月29日、ベネスエラ政府に対する反政府勢力の抗争を終わらせるため仲介する用意がある、と発表した。
これは、南米諸国連合(ウナスール)外相団が25、26両日カラカスで全当事者から事情聴取した後、野党連合MUDから、もっと中立的な仲介者が必要だとの意見が出るなど、新たな仲介者を望む世論があるのを受けての発表である。
外相団は27日、「民主体制を断固支持する。いかなる憲政秩序破壊行為をも糾弾する」とする26日付声明を発表している。非公式情報によると、今後、ブラジル、エクアドール、コロンビア3国外相が委員会を組んで、ベネスエラ問題に対応する。
一方、メヒコのメアデ、ベネスエラのハウアの両外相は27日カラカスで会談した。メアデは記者発表で、「ラ米は民主制度を守るべきだ。暴力には反対する。対話が唯一の解決手段だ」と強調した。
2月からの一連の街頭破壊活動絡みの死者は、29日現在39人に達している。負傷者は560人を超えた。
殺傷や破壊活動の現行犯ないし容疑で約170人が逮捕されている。反政府派は、自派の逮捕者の無条件釈放を対話の条件にしている。このような「無処罰主義」が事件の背後にあり、暴力の連鎖を断ち切りにくくしている。