カラカスで1月3日報じられた世論調査結果は、ニコラース・マドゥーロ大統領の支持率が22%と、過去最低となったことを示した。2013年4月の大統領選挙で当選した時点では51%だった。
支持率下落は、経済規模縮小、インフレ、国際原油価格低迷などで、経済運営の行方に暗雲が立ち込めていることに起因する。
大統領は昨年7月の政権党・ベネスエラ統一社会党(PSUV)大会で、世界一安いガソリン価格を引き上げ、年間150億ドルの補助金を廃止するなど、経済調整の必要性を唱えた。
だが一向に政策として実行せず、「決断できない大統領」と見なされてきた。ことし9月には国会議員選挙があり、広範な物資値上げを招かずにはおかないガソリン値上げは集票戦略上、致命傷になるとの読みがあるからだ。
しかし経済専門家は、人気が落ちている今こそ失うものが少ないわけで、政治的には都合が悪いが経済的には不可欠な政策を決断すべきだ、と指摘する。
ベネスエラは今年、期限が来る巨額の債務返済を迫られる。債務不履行に陥れば、ベネスエラのタンカーが外国の港で差し押さえられることになりかねず、原油輸出そのものが不可能になる最悪の事態に陥る可能性も出てくる。
オバーマ米政権は、チャベス派のマドゥーロ政権打倒を画策しており、マドゥーロ大統領は就任後最大の危機に直面しつつある。