ベネスエラの故ウーゴ・チャベス大統領とディオスダード・カベージョ現国会議長の護衛長を務めたレムシー・サラサールという海軍少佐が1月26日、ワシントンに到着した。スペインの右翼紙ABCが27日伝えた。
米麻薬捜査局(DEA)はベネスエラ国内で時間をかけて少佐を説得し、その結果、少佐は昨年12月密かにベネスエラを出国、スペインに約1か月滞在してから米国入りした、とされる。
少佐は米検察に、ベネスエラ政府・国軍高官と麻薬組織「ロス・ソーレス」との関係について証言するという。既に、同組織の頭目はカベージョ議長だ、と暴露している。
ABCによると、この組織はコロンビア革命軍(FARC)がコロンビア国内から運んでくるコカインを受取り、米欧に流している。国営ベネスエラ石油会社(PDVSA)の航空機も、コカイン密輸に使用された、という。さらにクーバが中継地として絡んでいる可能性もあるという。
米政府は、マドゥーロ・ベネスエラ政権の打倒を目指して揺さぶりをかけている。今後の「サラサール証言」は、米政府にとっては重要な<切り札>になる可能性がある。