メヒコ・ゲレロ州イグアラ市で2014年9月26日から27日にかけて発生した教員養成学校生43人強制失踪事件から16カ月経った1月26日、被害者の家族、学生、教員らは同州内で政府への抗議行動を展開した。事件は依然未解決のままだ。
家族、友人、教員らは二組に分かれて16日、南端のチアパス州と北端のチウアウア州から中央部に向かって乗用車、バス、徒歩で抗議行進し28日、それぞれケレタロー、モレリア両州に到着、行進を終えた。事件発生以来、この種の南北行進は3回目。
事件が発生した一昨年9月26日夜、若者たちを乗せていたと見られる警察など当局の車が10台近く、猛スピードで市外に向かう道路を走る監視ビデオの存在が最近暴露され、公開された。これはゲレロ州および連邦の検察庁が、存在を把握しながら隠していたものだ。警察が関与した重要な証拠となる。
一方、1月11日、ベラクルス州ティエラブランカで、乗用車に乗った女性一人を含む若者5人が警察に連行され、犯罪組織に身柄を引き渡され、失踪した。警察が43人の身柄を麻薬組織に引き渡したイグアラ事件と同一の犯罪形態であり、人道団体は「メヒコはイグアラ事件から何も学んでいない」と嘆いている。
5人はベラクルス州の南に隣接するオアハカ州内に運ばれた可能性があり、両州警察は捜索を続けている。このティエラブランカ事件は、メヒコ内外にまたかと思わせ、怒りと絶望感を募らせている。