2016年1月24日日曜日

都内の会合でチェ・ゲバラやラ米を語る

 天気予報で降雪の可能性が伝えられた1月23日は確かに寒く、雪に備えて外出した。東京都練馬区光が丘という、同区副都心での会合に招かれた。チェ・ゲバラやラ米情勢を語るためだった。

 参加者は、思った通り年配の知識人ばかりだった。新聞記者上がりのフリージャーナリスト、フリーライター、元企業駐在員、中国研究者、最近訪玖した人、幅広い興味を持つ人、たちだった。最高齢者は91歳の女性だった。

 チェについては印象論としてある程度知ってはいても、クーバやラ米についてはよく知らない人ばかりと見受けられた。このため、基本的な話をしてから、質疑応答に切り換えた。

 中東研究者からは、「チェとISの共通点」についての指摘がなされた。イスラムの若者たちがISになびき馳せ参じる様相は、クーバ革命後、チェに憧れてゲリラ戦に走った若者たちと似ている、という捉え方だ。

 なるほど、そのような分析が今、中東研究者らの間ではなされているのか。これは、私にとっては「初耳」だった。チェの著作の多くはアラビア語に訳されて書店や図書館に並んでいるという。チェがアラブ諸国でも人気があるのは充分想像できる。

 最近の南米情勢の「右旋回」も話題になった。私は22日東京で来日中のウルグアイの政治学者オスカル・ボティネリ(71)とラ米・南米情勢を語り合ったばかりだったが、その一部を伝えておいた。

 ポプリズモ(人民主義)は、貧困大衆層に恩恵を施し見返りに票をもらい、政権を維持する。だが施しの基となる国家・政府資産が乏しくなると、ポプリズモは勢いを失う。

 富裕層、中産層など伝統的支配階層は、ポプリズモを「大衆迎合主義」と受け止め、否定的に捉える。だが貧困大衆層にはありがたい人民主義である。

 冬の日暮れは早い。降雪前にと早めに帰路に就いた。だが雪は降らなかった。