2016年1月6日水曜日

ベネズエラ新国会議長が「半年内に政権交代」と言明

 ベネスエラ新国会が1月5日開会し、野党連合MUD(民主連合会議)の長老議員ヘンリー・ラモス=アルップ(72、民主行動党書記長)を議長に選出した。第1、第2副議長ともにMUDから選ばれた。議員任期は2021年までの5年間。

 新議長は就任演説で過去17年間のチャベス派政権の施政を厳しく批判。今後、行政機構、中央選管、司法機関などの会計や人事の実態を調査し追及してゆく、と強調した。

 また、2014年前半、カラカス市内などで反政府街頭暴力運動を煽動したり決行したりして禁錮刑を受けている極右政治家らMUD派受刑囚(約80人)を釈放するために「恩赦法を制定する」と述べた。

 さらに、「向こう半年以内に(ニコラース・マドゥーロ)大統領を退陣させ政権交代を実現するため、憲政の枠内で手段を講じる」と言明した。

 ラモスは就任に先立ち、退任する議長ディオスダード・カベージョ政権党議員に歩み寄り、握手を求め、「大統領が10日国会で施政報告・方針演説をする際、大統領を丁重に迎える」と伝えた。カベージョの隣には、シリア・フローレス議員(大統領夫人)もいた。

 だがラモスの就任演説の前に、政権党連合「大愛国軸」(GPP)議員54人全員が議場を離れた。新議長がMUD議員団長フリオ・ ボルヘスに議会規則に反して発言を許したのを理由とした。

 この日、MUD109人、GPP54人の議員が出席した。最高裁が当選認定を退けたMUD3、GPP1の計4人は出席しなかった。傍聴席には、MUDが招いたメヒコ国会上院議長ロベルト・ヒル、コロンビア元大統領アンデレス・パストラーナらが居た。

 国会の各委員会議長はじめ主要な役職はすべてMUDが握った。議場からは、解放者シモン・ボリーバルと、前大統領ウーゴ・チャベスの肖像画が取り外された。

 国会の外ではGPPとMUDの支持者たちがそれぞれ結集、対峙しつつ気勢を上げた。

  一方、スリア州ミランダ市では5日、政権党PSUV所属のアルフレド・エスカンデラ議員がオートバイに乗った2人組の殺し屋に銃弾20発を浴びせられ即死した。