ブラジル最高裁は1月8日、検察庁の求めを認め、エドゥアルド・クーニャ国会下院議長の在外銀行口座の預金残高の公開を許可した。スイス検察の協力で判明したところでは、スイス銀行にあるクーニャおよび家族らの名義の4つの口座に少なくとも500万ドルの預金があった。
これは2004~14年にかけて、クーニャが建設業者から受け取った賄賂と見なされている。建設業界は、国営石油会社ペトロブラスの発注する事業を獲得するため、クーニャら有力議員たち巨額の賄賂を贈っていた。
検察は、クーニャが収入をはるかに超えた支出をしていた事実を突き止め、不正蓄財の基となった収賄の事実を捜査していた。クーニャは昨年、在外銀行口座の存在を否定したが、これをスイス当局が嘘と暴いた。このため下院もクーニャの収賄について調査してきた。検察は、クーニャの議長更迭を要求、クーニャは2月に最高裁に出廷するよう求められている。
クーニャは、ヂウマ・ルセフ大統領の政党・労働者党(PT)が連立している最大の政党・ブラジル民主運動党(PMDB)に所属する。だが昨年、ルセフ弾劾の手続き開始に踏み切り、反大統領の立場を明確にした。これには、自身への収賄追及を逃れる狙いがあったと見られている。