ボリビアのダビー・チョケウアンカ外相は1月5日ラパスで記者会見し、チレがボリビアの太平洋岸領土回復問題という19世紀以来の歴史的懸案をはじめとする両国間の諸問題を解決する目的を持つならば、チレと国交を再開する用意がある、と述べた。
これは、チレ政府のガブリエル・ガスパル地域問題担当大使が4日、ボリビア東部のサンタクルースデラシエラ市を訪問し、同市のエル・デベール紙に「チレは今ここで無条件にボリビアと国交を再開する用意がある」と述べたことに対する発言。同大使は5日ラパス入りした。チレ総領事館で総領事らと打ち合わせてから、ボリビア政府との話し合いに入る見通し。
チョケウアンカ外相は、エボ・モラレス大統領はボリビアが内陸国である問題に恒久的に終止符を打つための最終的解決をチレが望むならば国交回復に応じると繰り返し表明してきた、と指摘した。
モラレスは昨年7月チレに対し、ローマ法王フランシスコを仲介者として5年以内に「海への出口」問題を解決することを条件に国交再開を提案した。これに対しチレ政府は、「無条件ならば復交する用意がある」と応じた。
その後9月24日、ハーグの国際司法裁判所は同問題に関するボリビアの2013年の提訴を認め、この問題について同裁判所は審理することが可能だ、との判断を下した。
両国は海岸領土問題をめぐって対立、ともに軍政下にあった1970年代末に断交した。チレは1879年に仕掛けた「太平洋戦争」でボリビア・ペルー連合軍を破り、ボリビアの太平洋岸領土(現チレ・アントファガスタ州)および、ペルー南部領土を奪った。