コロンビアの麻薬王・故パブロ・エスコバル(1949~93)の非情で凄惨な生き方を縁者との関係で描いた映画「エスコバル 楽園の掟」(アンドレア・ディステファノ監督、仏ベルギー西パナマ合作、119分)の試写会が1月13日、東京・京橋で始まった。
主演はプエルト・リコ出身のベニチオ・デルトロで、製作も兼ねている。中背で太っていた本物と比べると細身で長身だが、雰囲気は出ている。さすがデルトロだ。
事実と虚構を混ぜたドキュドラマで、物語は1982年の国会議員選挙から91年に自首するまでの時代を背景として展開されている。エスコバルはこの選挙で、出身州アンティオキアから下院議員補欠として出馬し当選したが、後に犯罪歴を暴かれ補欠資格を剥奪された。
牙を剥いた麻薬王は私兵団を使って激しい殺戮、爆弾テロを展開する。しかし映画では、むごたらしい場面は最小限に留めてあり、質を落とさずに済んでいる。
私(ブログ子)は、エスコバル全盛期に繰り広げられた「麻薬戦争」やコロンビア情勢を現地で取材した経験があるが、今回、報道や映画館資料用に、エスコバルという人物の解説を依頼された。
デルトロが以前チェ・ゲバラを演じた上下2本物の作品が上映された際も、解説を書いた。デルトロには縁があるようだ。
「エスコバル 楽園の掟」は、3月12日(土)から、東京の「シネマサンシャイン池袋」などで封切られ、全国を順次回る。配給・宣伝は、トランスフォーマー社。www.movie-escobar.com