2016年1月12日火曜日

ペルー大統領選挙出馬締め切り、有力候補はケイコら5人

 4月10日実施のペルー大統領選挙の立候補受け付けが1月11日終了した。国家選挙審議会(JNE、選管)は審議した後、公示するが、主要候補5人を含め19人が登録した。

 主要候補の中で支持率一番手(33%)は、「人民勢力」(FP)党首で前国会議員のケイコ・フジモリ(40)。父親アルベルト・フジモリ大統領の政権期に、離婚した母親に代わって大統領夫人役をこなした。日本語では「藤森恵子」。

 二番手(16%)は、「変革のためのペルー人」(PPK)を率いる経済学者ペドロ=パブロ・クチンスキ(PPK)で、77歳の最年長。「カンビオ(変革)」の頭文字Cを名字の頭文字Kにして、政党名と氏名の略称を同じにした。トレード政権で首相、経済・財務相などを歴任した。

 三番手(13%)は、「進歩のための同盟」(ALPRO)のセサル・アクーニャ(63)。実業家で、前州知事。PPKに迫る勢いを見せている。

 次いで支持率8%のアラン・ガルシア前大統領(66)。ペルーAPRA党(PAP)の指導者だが、劣勢挽回のため、かつての政敵ルールデス・フローレス(キリスト教人民党)と「人民同盟」(AP)を組んでいる。1980年代後半の第1期政権は「未熟な左翼大統領」で経済を破綻させながら、自身は汚職にまみれた。2期目(前政権)は一転して新自由主義路線を突っ走り「南米保守の指導者」の一人となったが、またも汚職にまみれた。

 支持率5%で続くのは、元大統領アレハンドロ・トレード(69)。やはり汚職にまみれた。

 このほか、ダニエル・ウレスティ、ベロニカ・メンドサ(拡大戦線)など十数人が登録した。ウレスティは、オヤンタ・ウマーラ現大統領の政権党・ペルー民族主義者党(PNP)候補で元内相。ウマーラ大統領の不人気もあって、支持率は2%。

 第1回投票で過半数得票者が出ず、上位2候補が6月5日の決選に臨む公算が大きい。国会議員130人、アンデス議会議員5人の選挙も同時に実施される。

 ケイコ候補は、経済成長促進、犯罪一掃、不正規労働部門従事者の生活向上などを盛り込んだ選挙綱領「ペルー計画」を掲げている。

 出馬登録締め切りで選挙戦は公然化したが、候補者同士の攻撃合戦が激化している。特に人気の高いケイコが「独裁者だった父親」と関連付けられて攻撃されている。ケイコ陣営は、禁錮刑に服している父親からケイコを切り離す戦術に出ている。

 選管とリマ弁護士協会(CAL)は2月11~12日、国立図書館図書館講堂で候補者討論会を共催する予定。