米州の南LAC(ラ米・カリブ)33カ国が加盟するラ米・カリブ諸国共同体(CELAC=セラック)の第4回首脳会議が1月27日、キト近郊の赤道碑の建つ「ミター・デル・ムンド(世界の中央)」で開催された。
議長のエクアドール(赤道国)大統領ラファエル・コレアは開会演説で、加盟国が議題策定で一致しなかったのは残念だ、と述べた。24、25両日の実務者会合と26日の外相会合で首脳会議の議題が策定されたが、「CELACを米州諸国機構(OEA)の代替機関とする」エクアドール案(ベネスエラとボリビアが支持j)は一致を見なかった。
コレアは演説で、①LAC域内を公平化し貧困を減らすため累進課税制度を促進すべきだ②教育科学技術を強化・刷新すべきだ③環境・気候変動問題を対象とする「国際環境司法裁判所」を創設すべきだ④域内インフラ・連結向け投資を域内GDPの6・2%(現在3200億ドル)にすべきところ過去10年間は2・7%しか投下されなかった⑤債務・投資紛争で債務国・被害国の主権を擁護し、多国籍企業寄りの判断をさせないためLACは独自の債務・投資紛争仲裁裁判所を設けるべきだ⑥CELACは地域ブロックとして団結・連帯して行動すべきだ-と指摘した。
米加両国が加盟しクーバが加盟していないOEA(本部ワシントン、加盟34カ国)についてコレアは、「OEAは適切に機能しておらず時代錯誤的であり、CELACは中期的にOEAに取って代わるべきだ。OEAは北米(米加)とCELACの間で合意や相違点を調整する機関になればいい」との持論を展開した。
首脳会議は「キト宣言」を採択、輪番制議長国をラ・ドミニカーナ(RD=ドミニカ共和国)に委ね、閉会した。
宣言は、貧困対策、食糧・栄養・飢餓一掃計画、債務再編成透明化、反腐敗、エネルギー開発、開発融資、文化財回復、海洋保護、中進・重債務国問題討議、対テロリズム政策、核実験全面禁止、域内難民保護、ジカ熱対策、グアンタナモ基地返還・経済封鎖全面解除を米国に求めるクーバ支持、アイチへの外相団(赤、URU、VEN、バハマ)派遣、亜国の対英マルビーナス諸島領有権交渉開始の主張支持、パラグイアの内陸国問題討議促進、国連から託されたコロンビア停戦監視・検証任務承認などを謳っている。
LAC人口は6億2000万人(世界人口の8・5%)で、2014年のCEPAL統計では、貧者1億6500万人がいて、うち6900万人は極貧。クーバのミゲル・ディアスカネル第1副議長は、域内人口の63%=3尾亜苦9700万人は生活苦に苛まれている、と指摘した。
同副議長は、「ベネスエラに対する長引く経済戦争、メディア戦争、心理戦と相俟って、重大化している複雑な国際経済状況の犠牲者である同国を断固支持する」と強調した。
首脳会議には、赤、RD、CR、墨、伯、BOL、COL、智、秘、PAR、VEN、巴、GUA、ガイアナの14カ国大統領、セントvンセント・グラナディーンとアンティグア・バーブーダの首相が出席した。他は副大統領、外相ら。ニカラグアは副外相だった。政情が混乱しているアイチのミシェル・マルテリ大統領は出席を見合わせた。マクリ亜国大統領は、対VEN内政干渉発言で矢面に立つのを避けるためか欠席した。