2016年1月4日月曜日

ベネズエラ次期国会議長が事実上決まる

 ベネスエラ野党連合MUD(民主連合会議)は1月3日、次期国会議長候補を選ぶ党内選挙を実施、民主行動党(AD)書記長ヘンリー・ラモス=アルップ(72)が62票を獲得し当選した。ADは20世紀後半、CAペレスら大統領を最も多く輩出させた伝統政党だが、1998年の大統領選挙で故ウーゴ・チャベス前大統領が初当選して以来、小政党に成り下がってきた。

 対立候補はMUD内極右「まず正義を」(PJ)党のフリオ・ボルヘスで49票を得た。MUD内の憲政派(穏健派)に属するラモスが議長候補になったことで、まずは無難な門出となった。

 昨年12月6日の国会議員選挙でMUDは定数167議席のうち3分の2の112議席を獲得。ベネスエラ統一社会党(PSUV)を柱とする政権党連合は55議席で、惨敗した。

 だが最高裁・選挙法廷は12月30日、政権党側の「異議」を認め、MUD当選者3人と政権党1人の4人の当選認定を不可とした。MUDの3日の議長候補選出には、同3人を含む112人のうち、事故で不参加の1人を除く111人が参加した。

 新国会は5日開会し、PSUVのディオスダード・カベージョ議長に代わって、ラモスが新議長に選ばれることになる。議席は最高裁判断を受けて、MUD109、政権党連合54になるもようだが、MUDは「3人失格」を受け入れていない。このため国会は初日から荒れるだろう。

 マドゥーロ政権と国会に権力のねじれが生じるわけで、ベネスエラ政治・政局は混迷を深めていくはずだ。両派は共に5日カラカスで大動員をかけ、それぞれ勢力を誇示し合うことにしている。