ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は2月26日、ミラフローレス政庁で「平和国民会議」(CNP)を開き、反政府勢力の抗議行動や暴力事件によって陥った事態の打開策と融和の道を探った。
大統領は冒頭、憲法遵守、非暴力、外国による干渉排除の3原則を掲げ、経営者、産業界、宗教界など国内の幅広い分野の代表で構成する「連絡委員会」の設置を提案した。
反政府行動を指揮した野党連合MUDの幹部は「中立的な会合ではない」として参加しなかった。これについて大統領は、この会合は政党間の対話ではないと釘を刺し、「対話を恐れるな」と批判した。
マドゥーロはまた、ウーゴ・チャベス前大統領の一周忌の3月5日から10日間、一周忌に因んだ行事を催すと明らかにした。
CNPには、経団連会長、中小零細企業連盟会長、大手企業社長、民放重役陣らも出席した。経済人は、経済建て直しに対する強い要望を提示した。またMUD加盟の伝統政党COPEI(キリスト教社会党)も出席し、対話開始を評価した。
亜国人ローマ法王フランシスコは26日、ベネスエラ情勢への懸念を表明し、対話による和解を促すメンサヘ(メッセージ)を発した。このメンサヘ全文がCNPで読み上げられた。
一方、エリーアス・ハウア外相は同日、状況を説明するためボリビアを訪問、エボ・モラレス大統領と会談した。次いでパラグアイを訪れた。続いて亜国、ウルグアイ、ブラジルを歴訪する。28日には、ウナスール議長国スリナムに行く。
米国のジョン・ケリー国務長官は、ベネスエラ外務省が、次期駐米大使としてマキシミリアン・アルベラーエス元ブラジル駐在大使を指名したのを受けて26日、関係改善の方針は変わらないが、ベネスエラ政府が米国を「黒幕」呼ばわりしている間は進展しないと述べ、「ベネスエラは真剣になるべきだ」と呼びかけた。
ベネスエラ検察庁は26日、今月12日の抗議デモのさなかに介入し2人を射殺した容疑で、国家情報局(SEBIN)の要員5人を逮捕した、と発表した。