2014年2月21日金曜日

ベネズエラ大統領が西部タチラ州に非常事態発動の用意表明

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は2月20日、ラジオ・テレビの全国向け統一放送で演説し、西部のコロンビア国境沿いのタチラ州に非常事態を発動する用意がある、と言明した。

 すでに陸軍降下大隊と工兵部隊が現地に向かいつつある。兵士らは、主として自動車道など戦略地点を警備することになるという。

 大統領は、同州内には州都サンクリストーバルの市長ダニエル・セバージョスに支援されたファシスト攻撃がある、と指摘した。また、コロンビアから武装勢力が潜入し、ベネスエラの極右勢力とともに不安定化工作をしつつある、と述べた。

 マドゥーロは「タチラを<ベネスエラのベンガジ>にはさせない」として、戦車部隊、軍用機、増援部隊を派遣する用意もある、と強い立場を示した。

 また19日に州都入りしたミゲル・ロドリゲス内相(陸軍少将)は戦闘服姿で記者会見し、市長が事実上の夜間外出禁止令を出し、外部からの物資補給などを遮断し、武装暴力組織に夜間を支配させている、と非難した。

 さらに、コロンビア武装集団が暴力事件を起こそうとしている事実をつかんだとして、州内での市民の武器携行を禁止した。

 内相は、小企業主らが資金を出して武装させている、と糾弾した。

 一方、反政府派のセバージョス市長は20日、陸軍部隊が展開し、インターネットが普通になった、と明らかにした。

 首都カラカスでは20日、空軍基地への接近路を塞いでいたモーターバイク105台が押収された。国家警察要員1人が銃撃され負傷している。