ベネスエラのエリーアス・ハウア外相は2月17日、カラカス駐在米国領事3人の氏名を明らかにし、48時間以内の国外退去を命じた、と発表した。国外追放については前日、ニコラース・マドゥーロ大統領が発表していた。
外相は追放理由について、大学生に資金援助し暴動を組織・促進していた、と説明した。これに対し米国務省は17日、外相説明は事実でない、と否定した。
だが、ベネスエラ副外相(北米担当)クラウディア・サレルモは、「米領事3人は大学生に米国留学査証を与えていた。米国で育成し、帰国させ活動させるためだ。この行為は尋常ではない」と指摘した。
一方、暴動扇動罪などで逮捕状が出ている野党指導者の一人で極右のレオポルド・ロペス人民意志(VP)党首は、支持者を引き連れて18日、カラカス中心部リベルタドール区にある内務省に出頭することにしている。
同区のチャベス派区長は、このデモ行進は許可していない、と明らかにしている。また国会議長ディオスダード・カベージョも17日、ロペス一行は首都中心部に入らせない、と強調した。
18日には、中心部にある大統領政庁で、石油労働者5万3000人と国営石油会社PDVSA(ペデベサ)との集団労働契約式が予定されており、労働者多数が集結する見込み。
このため、ロペス支持者が中心部に入れば、衝突事件が起きる公算が大きい。だがロペスらは、混乱を起こしてマドゥーロ大統領を退陣させる戦略であり、新たな流血事件発生への懸念が高まっている。