この2月に開かれるハバナ国際書籍見本市に『サンティアゴ・デ・クーバの一人の日本人 ある恋の物語』という本が登場する。
1913年に日本人一行がサンティアゴを訪れた。千葉県出身のフジシロ・ケンニチ(20)は病気にかかり、入院する。フジシロ青年は後で仲間たちと合流することにしていた。
ところが看護師アントニア・ムステリエルと恋に落ちてしまった。青年はサンティゴに留まることを決め、やがて二人は結婚する。
この本を書いたのは、孫に当たる歴史家リディア・サンチェス=フジシロ教授。子孫らは苦労して日本のフジシロ家の系譜を突き止め、以来、交流してきた、という。
今年は支倉常長がローマに赴く途上、スペイン植民地だったクーバに立ち寄った400周年。日本とクーバでさまざまな文化行事が催されるが、この本の出版もその一環と位置付けられている。
昨年は、フジシロ一世のサンティアゴ到着100周年だった。