カラカスの法廷は2月19日、前日自首した野党指導者レオポルド・ロペスを放火、器物損傷、暴動関与の容疑者と認め、公判開始まで身柄を拘置することを決めた。 ロペスは、首都南西郊外のロス・テケスにあるラモ・ベルデ刑務所で拘束されている。
メヒコのトルーカ市で19日、バラク・オバーマ米大統領は、ベネスエラの一連の暴動事件で逮捕された容疑者たちを釈放するよう呼び掛けた。その筆頭格としてロペスが念頭にあるはずだが、ベネスエラの状況と司法制度を全く無視した呼びかけと、受け止められている。
ベネズエラの野党など反政府勢力は昨年3月5日、ウーゴ・チャベス大統領が癌で死去した後、「チャベス無きチャベス主義」は長続きしないと判断していた。
ところが4月の大統領選挙で、チャベスの後継者ニコラース・マドゥーロ現大統領が勝ち、さらに12月の統一地方選挙で政権党連合は圧勝した。
計算が完全に狂った反政府勢力は、1月下旬から全国で大学生を動員して反政府行動を開始し、暴動に出て当局を挑発した。今月12日の流血事件は、その結果と位置付けられている。
騒乱状態を醸し、内外右翼メディアを使って政権交代を促す戦略だが、首謀勢力は、アラブ諸国やウクライナでの反政府暴動から閃きを得ている。
マドゥーロ大統領は19日の全国向け演説で、労働者民兵を強化し、国家警備隊、国軍とともに街頭で治安を確立しよう、と述べた。民兵を口にしたことは、チャベス1周忌に向けて事態が重大段階に入る可能性をも考慮してのことだろう。