2015年2月13日金曜日

イタリアで南米軍政期の人道犯罪裁く公判始まる

 ローマ近郊のレビッビアで2月12日、1970年代の南米南部諸国軍政期に軍政同士が連携して左翼ら批判者を殺す「コンドル作戦」に基づく人道犯罪を裁く公判が始まった。イタリア検察は、イタリア系市民ら43人を殺害した南米4カ国の元軍政高官ら32人を起訴している。

 だがほとんどの被告は直接、間接の証言を拒否し、この日出廷したのはイタリア在住ウルグアイ系市民で、元ウルグアイ海軍大佐ネストル・フェルナンデス=トロッコリ被告だけだった。

 元大佐は、ウルグアイでの人道犯罪裁判で裁かれる恐れが出た2007年、イタリアに亡命し、サレルノに住んでいる。イタリア系ウルグアイ人6人の強制失踪事件に関与した罪で起訴された。

 被害者43人は、ウルグアイ人20、伊系ウルグアイ人13、伊系亜国人6、伊系チレ人4。被告はボリビア人1(ルイス・アルセ元内相)、ペルー人4(フランシスコ・モラレス=ベルムーデス元軍政大統領ら)、チレ人11(マヌエル・コントレラス元秘密警察長官ら)、ウルグアイ人16。 32人はすべて軍人で、市民の生殺与奪権を握っていた、それぞれの国の軍事評議会員だった。

 イタリア検察は、欧州で「コンドル作戦」が裁かれる歴史的裁判と自負している。次回公判は3月12日。検察は証人150人をそろえている。