2018年6月12日火曜日

 ハイチ国軍が22年ぶりに復活▼ドミニカ共和国が安保理非常任理事国に▼ブラジル次期大統領候補支持率はルーラが1位維持▼キューバが米政府主張の「外交官音響被害」で声明を発表

 アイチ(ハイチ)国軍(FAH)は1996年廃止されたが、今年、22年ぶりに復活した。ジョヴネル・モイーズ大統領は2017年11月18日、国軍復活に踏み切り、最初の部隊兵士150人をエクアドール軍の下で訓練した。国防省も復活した。

 18年3月28日、エルヴェ・デ二国防相、ジョデル・ルサージ司令官(中将)を指揮官とする司令部が発足した。当面、陸軍を中心に兵員3000人で部隊編成する方針。現在、18~25歳の兵士候補500人を募集している。2020年以降、兵力を5000人にする計画。

 治安部隊は他に国家警察9000人と、小規模な沿岸警備隊がある。当面150~500人で編成する陸軍部隊は、工兵隊、環境保護隊、衛生兵隊、国境警備隊。

 治安は、米仏加が仕掛けた工作で、改革派のジャンベルトゥラン・アリスティド大統領がアフリカに連行され追放された2004年の政変に至る過程で、動員された無法者集団の暴力で極度に悪化した。

 このため同年、国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)が展開、治安確保に当たったが、2010年の大震災による大混乱もあって、治安維持は極めて困難だった。また派遣団兵士らが不法行為を働き、評判を落としたのも問題化した。

 派遣団は17年10月以降、国連ハイチ正義支援団(MINUJUSTH)に代わり、国際警察部隊1000人が展開。国家警察と共に活動している。今後は、FAHの態勢が整い次第、治安維持に投入される。

 国軍はデュヴァリエ父子2代の長期独裁期に政権の私兵化し、独裁終焉後は、旧勢力による政変の道具にされていた。そこで廃止された。

▼ドミニカ共和国(RD)が安保理非常任理事国に

 ハイチと国境を接するRDは6月8日、ボリビアに代わるLAC(ラ米・カリブ)枠の非常任理事国に選出された。任期は2019~20年。

▼ブラジル大統領選挙候補支持率はルーラが1位

 フォーリャ・デ・サンパウロ紙が6月10日報じた支持率調査で、労働者党(PT)候補ルーラ元大統領が30%で1位を維持。ルーラは警察拘置所に拘禁されている。

 また汚職まみれのミシェル・テメル暫定大統領の不支持率は82%で、歴代大統領最低の不人気度を記録した。

 ルーラの元にこのほど、フランシスコ法王から贈られたロザリオ(磔刑像付き数珠)が到着。ルーラを拘禁したテメル体制への法王側の暗黙の批判とも受け止められている。

▼キューバ政府が「音響被害事件」で声明

 玖外務省は6月10日、ハバナ駐在の米外交官らが「音響被害に遭った」とされる件について声明を発表した。要旨は次の通り。

 一、2018年5月29日付で米国務省から、同月27日、女性外交官1人がハバナの自宅で「音響被害に遭った」との連絡を受けた。

 一、玖政府は医師団、専門的調査団を派遣、同自宅一帯を調査したが「音源」など痕跡は見つからなかった。当該女性外交官にも会えなかった。

 一、(2016年末以後)1年余りの玖米合同調査の結果、この出来事を理由に対玖外交規模縮小を決めた国務省の立場を正当化しうる科学的根拠はなかった。

 一、国務省が6月5日付で、玖中両国で起きた、この種の一連の出来に関する合同調査団結成についての発表に留意する。

 一、玖国は、滞在外国人および駐在外交官の安全を厳重に守っており、このことは良く知られている。今後も対米協力に応じる。