2018年6月26日火曜日

 ニカラグア対話再開:オルテガ大統領が繰り上げ選挙を受け入れるか否かが焦点▼ペンス米副大統領がブラジル、エクアドール、グアテマラ歴訪へ▼ペルー人口は3100万人▼メキシコ大統領選挙はアムロ優位▼エクアドール記者の遺体特定▼EUがベネズエラ高官に入域を禁止▼ピノチェー将軍の公金横領内容特定さる

 ニカラグア政府と反政府勢力の間で起きている流血の紛争解決のための対話は6月25日、司教会議(CEN)の仲介で再開した。司教会議はダニエル・オルテガ大統領に対し、2021年実施予定の次期大統領選挙を来年3月末に繰り上げ実施するよう提案しており、この問題が中心議題となる。

 オルテガ大統領は、この提案を7日に受けた際、「考える時間が欲しい」と答え、その後、回答していない。このためCENは23日、大統領に19年3月選挙を受け入れるよう公式に表明するよう求めた。

 対話は、検証・治安、選挙、司法の3部会に分かれて開かれている。政府側はデニス・モンカーダ外相が首席代表。対話に参加する米州人権委員会(CIDH)と国連人権高等弁務官事務所の代表らは24日マナグア入りした。

 4月18日以来の反政府側の抗議行動開始以来、死傷者多数が出ているが、CIDHはその殺傷責任者特定を担当している。設置された「ニカラグア検証特別機関」(MESEN)に参加し活動する。

 オルテガは現在、連続3期政権にあり、22年からの4期目には妻で副大統領のロサリオ・ムリージョを後継者にしようと目論んでいた。その構想も崩れようとしている。

 対話の選挙部会は、選挙法改正で現職正副大統領の次期大統領選挙出馬を阻止しようとしているからだ。オルテガが繰り上げ選挙を認めれば、反政府側に勢いがつき、選挙法改正が成立する公算が大きくなる。

 依然厚いオルテガ支持層は4月以来の反政府活動と仲介対話を、米国が反政府勢力の背後で操る「時間をかけたクーデター」と見なし、非難している。ベネズエラで繰り返し展開されてきたグアリンバ(政治的街頭武力)の焼き直しと見ているのだ。

▼米副大統領がラ米歴訪へ

 マイク・ペンス副大統領は6月26日からブラジル、エクアドール、グアテマラを歴訪する。ペンスのラ米訪問は3度目となる。

 ブラジリアでミシェル・テメル伯大統領とベネズエラ情勢を中心に会談する。伯マラニョン州のアルカンタラ基地を、米航空宇宙局(NASA)の衛星打ち上げ基地として使用するための話し合いもする。

 ペンスはブラジリアからマナウス市に移動、同市内にあるベネズエラ人難民収容所を視察する。ブラジルには同難民5万人がいるとされる。その後、キトに行く。

▼ペルー人口は3100万人

 秘統計庁は6月25日、人口は3123万7000人と発表した。昨年10月、国勢調査が実施された。

▼メキシコ大統領選挙支持率はアムロ優位続く

 ミトフスキ社調査では、ARENA候補アムロ(ロペス=オブラドール)37・7%、前政権党PANのリカルド・アナヤ20%、政権党PRIのホセ・メアデ17・7%、無所属ハイメ・ロドリゲス3・1%。残る21・5%は未定・棄権・白票。

▼エクアドール取材班の遺体確認

 コロンビア検察庁は6月25日、ナリーニョ州内で21日発見された男性3人の遺体は、エクアドール紙エル・コメルシオ取材班員と特定した、と発表した。遺体は、カリ市で司法解剖に付されていた。

 3人は3月下旬、コロンビア国境のエスメラルダ県取材中にコロンビアゲリラの残党に拉致され殺害された。ハビエル・オルテガ記者、パウール・リバス写真記者、エフラーン・セガ―ラ運転手の3人。遺体は直ちにエクアドールに空輸される。

▼欧州連合(EU)がべネズエラ高官に制裁発動

 EUは6月25日、デルシー・ロドリゲス副大統領、タレク・アルアサミ前副大統領ら11人にEU入域を禁止し、EU域内にある資産を凍結した。
 ベネズエラ政府は「内政干渉」と反駁した。VEN国内にはEU人60万人が居住している。米加巴3国は既にVENに制裁中。

▼チリ最高裁がピノチェーの公金横領内容を特定

 最高裁は6月25日、故アウグスト・ピノチェー将軍の資産2100万ドルのうちの不正蓄財部分に含まれる730万ドルを特定したと発表した。不動産、銀行預金、乗用車など。14年間の調査の末にたどり着いた。他に600万ドルが特定されている。

 計1330万ドルは公金横領による。最高裁はピノチェーの遺族に返還を命じている。返還をめぐり遺族および、ヴァージン諸島の金融機関との係争のもある。不正蓄財はほかに約400万ドルある。