フエゴ火山の大爆発で災害非常事態下にあるグアテマラのジミー・モラレス大統領が、女性への性的虐待で告発されている。被害者の女性は5月前半、検察庁に告発したが、同庁が「告発状を受理していない」と表明しているため、近日中に告発を確認するという。同国のプレンサ・リブレ紙が6月20日報じた。
これに先立ち同国のエル・ペリオディコ紙は18日、エドガル・グティエレス元外相執筆の「最悪の大統領」と題する論評記事を掲載。喜劇役者出身のモラレスを「政治政策を持たずに就任した」と扱き下ろし、「モラレスは複数の若い女性への性的虐待に関与した」旨を暴露した。同紙は19日には、関連する論評記事を掲げた。
プレンサ・リブレ紙によると、告発した女性は生命の危険を感じているが、数日内に告発した事実を確認する。証拠と証人証言を用意しているという。
これに対し政府は20日、一連の報道内容を否定した。モラレスは大統領候補だった2015年、別の女性から「性的侵害、致傷、脅迫、暴力」で告発されていた。モラレスはその時は「ある政治勢力が取った絶望的な手法だ」とはねつけた。
大統領は5月には、友人が経営する安全保障会社が支払うべき脱税への罰金750万Q(ケッツァール)の95%を棒引きし、非難された。
また5月16日、在イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移した際、モラレスは現地での式典に出席したが、その折の大統領および随行団の往復旅費などは、ラス・ベガスでホテルやカジノを経営しているシェルドン・アデルソンという人物が負担した。
これは大統領に同行したサンドラ・ホベル外相が明らかにしている。大使館移転と引き換えに外資20億ドルがグアテマラに投下されることが約束されており、アデルソンは投資家の一人だという。
▼ダンテ・カプート元アルゼンチン外相死去
6月20日、ブエノスアイレスで死去、74歳だった。
1983年、民政移管を受けて発足したアルフォンシン政権で外相を務め、ローマ法王ヨハネ=パウロ2世の仲裁で、ピノチェー智軍政とのビーグル水道領有権紛争の解決に動き、両国間の平和友好条約調印に漕ぎ着けた。
▼メキシコの日本大使館が在留邦人に勧告
日本大使館は6月19日、在留邦人向けに、7月1日の大統領選挙を含む総選挙を前に、投票日から数日間、外出に注意するよう勧告した。日本外務省の指令に基づく。
国会議員、市長などの候補や関係者が計114人も殺害され、政治家や家族への脅迫が続いている事実を指摘。情報を把握し慎重に行動するよう促している。
ドイツ政府は5月、ドイツ人にメキシコ渡航を控えるよう警告している。今回の日本外務省の勧告は渡航抑制ではない。