2018年6月9日土曜日

 来年4月27に米州諸国機構(OEA)を脱退する、とベネズエラ大統領が言明▼テレスールは、米国は「汚い戦争」を続行と論評▼キューバが米国を批判▼VENとイランはOPECに支援要請▼ホセ・ムヒーカ氏の愛犬死す▼東京外大で映画「エルネスト」上映会催さる

 ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は6月7日、「2019年4月27日にOEA(米州諸国機構)を脱退する。その日、大動員をかけ盛大に祝おう」と述べた。

 大統領はまた、「マイク・ペンス米副大統領はOEA諸国にVEN追放に賛成するよう圧力をかけたが、追放決議に失敗した」と指摘。OEA外相会議に出席したホルヘ・アレアサ外相以下の「VEN外交団の勝利」を讃えた。

 ベネズエラは昨年4月27日、OEA脱退意志を表明。脱退手続きには2年かかり、それが完了する来年の同日を大統領は「脱退記念日」と捉えている。

 カラカスに本社のあるラ米多国籍TV「テレスール」(南部テレビ放送)は7日の論評で、OEAでのVEN追放工作に失敗した米政府は今後も「汚い戦争」や「経済戦争」をVENに仕掛けてくるだろう、と述べた。

 同論評は、その理由を①VEN国内に組織された強力な野党勢力がない②国際原油価格が上昇中③国軍が分裂する兆候はないーからとしている。

   同盟国キューバの外務省は7日、OEA外相会議の5日の決議について「受け入れ難い内政干渉」と糾弾した。
 玖共産党機関紙グランマは、米国とOEAには民主や人権に関し他国に教訓を垂れる道徳的資格はない、と厳しく批判。また、決議案に反対票を投じたカリブの小さな島国2国を「帝国に従わず、勇気、決断、正義を示した」と讃えた。

 一方、VEN石油省は7日、米国による経済制裁に対抗するため支援をOPEC(石油輸出国機構)に要請する、と明らかにした。
 同じく制裁に遭っているイランとともに加盟諸国に書簡で支援を求めたという。OPECは22日に会合する。

▼ホセ・ムヒーカ前大統領の愛犬死す

 ウルグアイのムヒーカ前大統領と22年暮らした雌の愛犬マヌエーラが6月7日死亡した。首都モンテビデーオ郊外に同氏が所有する農場の一角に埋葬されたという。

 この犬の左前足は半分しかなかった。2014年、当時大統領だったムヒーカが農場でトラクターを運転していた時、その機体の下に潜り込んだマヌエーラに気づかず、犬は足の切断を余儀なくされた。以後「三本足の犬」と呼ばれていた。

 ムヒーカは大統領時代、「我が政権の最も忠実な職員」とマヌエーラを讃え、自ら運転する車に乗せたり、旅行に連れて行ったりしていた。

 犬の晩年、歯がこぼれ落ちつつあるからと、食べやすい餌を与えるなど、愛犬を気遣っていた。ムヒーカ夫妻と愛犬の仲睦まじい関係は内外で有名だった。

▼東京外語大学で映画「エルネスト」上映会催さる

 府中市の東外大講堂で6月8日夜、「エルネスト」(阪本順治監督)上映会と座談会(トークショー)が催され、同大の学生、教授、一般市民ら約500人が参加した。
 1967年8月末、チェ・ゲバラ部隊のゲリラとしてボリビアで戦死した日系2世フレディ前村の短い人闘争の人生を描いた作品。

 座談会には、坂本監督、映画の原作『革命の侍』翻訳者・松枝愛、ジャーナリスト伊高浩昭が出席。作品の意味、日系人を超えたフレディの生き方、撮影の苦労話などが、質疑応答を交えて縦横に語られた。

 16日にはハバナで招待上映会が催され、阪本監督が出席し挨拶する。その後、一般公開上映される。今年末には外語大講堂でチリ映画3部作が上映され、トークショーもある。