訪米中のスペイン国王フェリーぺ6世がベネズエラへの内政干渉発言をし、物議を醸している。
国王は6月20日、ホワイトハウスにドナルド・トランプ大統領を表敬し会談。「西米両国には協力し合える分野がたくさんある。ベネズエラの民主回復に努めるのは重要な仕事になる」と述べた。
トランプは、ニコラース・マドゥーロVEN大統領排除の旗頭であり、これを踏まえて国王が「協力」を持ち掛けたのは疑いない。だがトランプは、国王に直接的な返答はしなかったもよう。
国王は、メキシコの版図が最大だったヌエバ・エスパーニャ副王領時代に、テハス地方(現・米テキサス州)にスペイン人が築いたサンアントニオ市の建都300年記念式典に出席、その後、ワシントンを訪れた。
国王発言に対し、ベネズエラ制憲議会のディオスダード・カベ―ジョ議長はすぐさま反駁。「ベネズエラにはスペインの100万倍もの民主がある。真の参加型人民主権がある」と強調した。
さらに、「生涯に一度も選挙の洗礼を受けないのが国王だ」と揶揄。フェリーペ国王を「エル・ティポ(奴)」と呼んだ。カベ―ジョはマドゥーロ大統領に次ぐ実力者。
一方、5月20日のVEN大統領選挙で善戦した野党指導者ヘンリー・ファルコンは21日カラカスで、新しい政党連合「変化のための協和」を設立した。
ファルコンは、旧来の保守・右翼野党連合MUDについて、「MUDが私から離れていった」と述べた。MUDは大統領選挙をボイコットし、出馬したファルコンと袂を分かった。
国営石油PDVSAによれば、6月前半のVEN原油輸出は日量76万5000バレルだった。5月の平均輸出日量113万3000バレルから32%減っている。
VEN政府は19日、政治的暴力などで収監されていた服役囚17人を新たに釈放した。
▼キューバ議長が聖母コブレに参る
ミゲル・ディアスカネル国家評議会議長は6月20日、東部のサンティアゴ市郊外にある聖堂に安置されている聖母像に参拝した。
カストロ兄弟との「作風の違い」を内外に印象付け、支持基盤拡大を目指す方策の一環。無論、ラウール・カストロ共産党第1書記と打ち合わせた上でのことだ。