2018年6月20日水曜日

 サッカーW杯:初戦に敗れたコロンビアが悲観に陥る▼一転して、日本の「正当な勝利」讃える▼早くも監督交代説▼場外で不祥事、日本女性が気付かずに馬鹿にされる▼ベネズエラ制憲議会議長決まる▼グアテマラ火山麓は墓地化か

 W杯H組初戦で日本に敗れたコロンビアでは悲観的な論調が充満している。6月19日の各紙電子版は一斉に「敗北の悲劇」を伝えている。

 エル・エラルド紙は、「ロシア2018の悲しい初戦」と題して報道。試合開始3分後のカルロス・サンチェスの赤札一発退場について、「1986年メキシコ大会でのウルグアイ選手ホセ・バティスタの開始後52秒の退場に次ぐW杯史上2番目の早さだった」と指摘した。
 さらに、「コロンビアは日本の鉄壁の守備陣によって、動くべき空間を封じられた」と評した。

 エル・エスペクタドール紙は、「H組で最もつつましい存在と見られていた日本は正当な勝利者として競技場を後にした 」と日本チームを讃えた。

 「コロンビア:悪い発進」の見出しを掲げたAS紙は、「日本は相手が1人減った後、秩序を保ち、驚愕したコロンビアの空間を封じてしまった」と、これまた日本を評価した。

 エル・ティエンポ紙は、サランスクの競技場で観戦したハメス・ロドリゲスの娘サロメ―が試合後、母親ダニエーラと抱き合って泣いていた、と写真付きで報じている。衝撃的敗北を象徴する場面として捉えたようだ。

 当のハメスは、「顔を上げ、忍耐をもって、次の試合に希望を託そう」と表明。ラダメ・ファルカオも、「敗戦は悲しいが、この逆境を好機に変えよう。対ポーランド戦は命がけで戦う」と決意を表した。

 コロンビアのホセ・ポケルマン監督への批判も渦巻いている。「引き分けを狙っていたさなかに決勝ゴールを決められてしまった」という見方が多い。
 采配の誤りは、クアドラードとキンテーロを交代させたことと、不調のハイメを出場させたこと。この批判も多い。

 監督自身、「サンチェス退場後、試合の進め方が複雑になった」と述べ、「コロンビアの決勝リーグへの展望を日本が暗くした」と本音を吐いた。

 「大会終了後、監督が交代する可能性がある。ドイツ相手にメキシコを勝たせたフアン=カルロス・オソリオ監督(コロンビア人)が有力な選択肢だ」ーこうした観測が早くも 各紙誌面を賑わわせている。

 一方、サランスクの競技場外でも問題が起きていた。コロンビア人の男性サポーターが禁じられている酒を観客席に持ち込んで飲んでいる映像が公開され、ロシア当局は調査するもよう。
 コロンビア外務省もこの問題を把握、懸念を表明している。

 また試合後、観客席でごみを片付けていた日本の若い女性サポーター数人に、コロンビア人男性サポーター2人が、スペイン語で「私は雌犬だ。どこにでも行く売春婦だ」と言わせた映像が公開され、問題になっている。
 「これが問題の<2人のスペイン語教師>だ」と、同男性2人を糾弾する記事も出ている。「日本人女性が西語を理解しないのをいいことに卑猥な言葉を押し付けた」と厳しい。

 あるコロンビア人女性は、「いったいどんな種類のコロンビア人がロシアに行っているのだろう。恥ずかしい。すべての日本人女性と世界の女性にお詫びしたい」とSNSで発信している。

▼ベネズエラ制憲議会新議長決まる

 制憲議会(ANC)新議長に6月19日、ディオスダード・カベ―ジョ元国会議長が選出された。デルシー・ロドリゲス(前)議長がこのほど執権副大統領に転出したため、後任選びが進められていた。

 カベ―ジョは、マドゥーロ政権の政権党PSUV(ベネズエラ統一社会党)の副党首。元陸軍中尉で、故ウーゴ・チャベス前大統領の側近だった。陸軍中佐だったチャベスが空挺、戦車部隊を率いて1992年に起こしたクーデター未遂事件にも参加した。

▼グアテマラ火山の麓一帯は墓地化か

 フエゴ火山の大爆発で厚い火山灰に覆われた麓一帯は、埋没した住民の遺体や家屋を発掘しないまま、広大な墓地(カンポ・サント)になるもよう。当局者が6月19日明らかにした。
 6月初めからの爆発で、171万人が被災、1万3000人が家屋を失った。110人が死亡、197人が行方不明となっている。