米州諸国機構(OEA)外相会議の初日6月4日、マイク・ポンぺオ米国務長官が発言。加墨秘智伯亜とともにベネズエラ資格停止決議案を提出したことについて、「OEAは言葉に加え行動で示すべきだ。ベネズエラは真の選挙を実施することによってのみ米州社会から受け入れられる」と述べた。
また「米国は従来通り、ベネズエラ人民をしっかりと守る」と強調した。これは明らかな内政干渉、帝国主義丸出しの発言。出席したホルヘ・アレアサVEN外相は反駁した。同外相は、故ウーゴ・チャベス前大統領の女婿。
米国を含む7カ国は、5月20日の大統領選挙に圧勝し再選を果たしたニコラース・マドゥーロ大統領のベネズエラが「民主秩序が途切れた」と見なし、「民主制度正常化のため」としてOEA加盟資格停止を提案した。OEAの「米州民主憲章」条項に沿った措置。
これは重要決議案であり、加盟34カ国の3分の2である24カ国の賛成が必要。米国のOEA大使は3日、24カ国を固めたと表明している。
だがマイク・ペンス米副大統領は4日、エクアドール(赤道国)のレニーン・モレーノ大統領に電話し、「米赤関係活性化」を呼び掛けており、依然、多数派工作を続けていることを示した。
[この電話は5日国連総会で、マリーア=フェルナンダ・エスピノーサ赤外相が総会議長に選出されたことと無関係でない。]
モレーノ赤大統領は、ラファエル・コレア前大統領のような左翼ではなく、中道是々非々主義者だが、米国とラ米保守・右翼諸国が主導する反マドゥーロ路線とは一線を画してきた。
一方、マドゥーロ大統領は4日カラカスで、「米政府はLAC(ラ米・カリブ)諸国に対し、犯罪的、醜悪、恐喝まがい、脅迫めいた働きかけをしている。これはOEAでいつも見られる光景となっている」と、トランプ米政権を揶揄。
続けて、「OEAは無用な機構だ。ベネズエラは米国の植民地省(OEA)から離脱する」と述べ、脱退方針を確認した。事実上の追放処分ともなりうる資格停止決議の有無に拘わらず1年後には脱退していることを加盟国に想起させた。
マドゥーロ政権は去年4月末、離脱手続きに入った。規則上、脱退手続きには2年かかる。大統領は「必要な24カ月のうち既に13カ月が過ぎた」と付け加えた。一時、脱退中止説が流れていたが、この日、マドゥーロは脱退方針をあらためて明確にした。
大統領は選挙後の23日から国内対話を開始、既に一部野党、野党系州知事、政府系州知事、市長、銀行協会などとの話し合いを終えている。現在、「対話第2節」に入ったところで、各種市民団体と話し合っている。