米州諸国機構(OEA,34か国加盟)第48回総会(外相会議、ワシントン開催)は6月5日、ベネズエラ大統領選挙(5月20日実施)を認めず、同国のOEA加盟資格の停止手続きを開始するという決議案を賛成19、反対4、棄権11で可決した。これは米国など反ベネズエラ勢力の失敗を意味する。
米加墨秘智伯亜の7カ国は当初、ベネズエラの資格停止処分に持ち込む作戦を立て、米当局者は資格停止など重要決議に必要な3分の2(24カ国)の賛成を固めたと豪語していた。だが、それが強がりがったことが明らかになった。このため急遽、「資格停止手続き開始」に切り替えざるをえなかった。
決議賛成19カ国:米加墨グアテマラ・ホンジュラスCR巴RD・COL秘智パラグアイ伯亜ガイアナ・ジャマイカ・セントルシーア・バルバドス・バハマ。
反対4カ国:ベネズエラ、ボリビア、ドミ二カ、セントヴィンセント&グらナディーン。
棄権11カ国:ニカラグア、エル・サルバドール、ハイチ、エクアドール、スリナム、ベリーズ、TT,グレナダ、セントクリストファー&ネヴィス、アンティグア&バーブーダ。
従来、マドゥーロVEN政権に連帯していたニカラグアが棄権に回ったのが注目される。外相会議はこの日、「ニカラグア暴力即時停止」決議案をも可決した。その案文からは「オルテガNICA政権糾弾」の文言が外された。このことと棄権とは無関係ではない。
ニカラグアの人権団体の集計では、4月半ばからの抗議行動する反政府勢力への弾圧過程で死者121人、負傷者1300人が出ている。
会議出席のホルヘ・アレアサVENVEN外相は、「今日の決議はOEAの絶望の表れだ」と指摘。「我々は内政干渉し暴力を煽るOEAから自主的に脱退する手続きに既に入っている」、「OEAはVEN人民と軍部を離反させようとも画策した」と述べ、「大なる祖国万歳」で発言を締めくくった。
一方、ベネズエラ最高裁は5日、エル・ナシオナル紙に対し、10億ボリーバルの賠償金をディオスダード・カベ―ジョ政権党副党首に支払うよう命じた。同紙は、スペイン王党派系右翼紙ABC報道を踏まえて、「カベ―ジョは麻薬取引関与者」と報じた。
カベ―ジョは名誉棄損罪で訴えた。同紙が報道の根拠となる確乎たる証拠を示せなかったため、カベ―ジョの勝訴が確定した。エル・ナシオナルは反政府派の機関紙化していた。反政府街頭暴力に関与した極右政党に極めて甘かった。
▼キューバ議長が米議員、グーグル社長と会談
ミゲル・ディアスカネル国家評議会議長は6月4日、来訪したジェフ・フレイグ米上院議員(共和党)、グーグルのエリック・シュミット社長と会談した。