2018年6月18日月曜日

 コロンビア次期大統領に右翼政党候補イバン・ドゥケ▼決選で左翼候補グスタボ・ペトロを下す▼FARCは和平合意改悪は内戦再開を招くと警告、対話を求める▼ベネズエラ外務省がニカラグア情勢で声明発表

 コロンビア大統領選挙決選は6月17日実施され、野党「民主中央」のイバン・ドゥケ候補(42)が当選した。予想通りの結果だった。8月7日就任する。

 極右のアルバロ・ウリーベ前大統領が率いる同党は、サントス現政権が2016年11月に到達したゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍)との和平合意に強く反対していた。ドゥケは当確後、記者団を前に「和平合意を修正する」と言明した。

 これに対し、政党化したFARC(人民革命代替勢力 )の最高指導者ティモチェンコことロドリーゴ・ロンドーニョは記者会見で、「次期大統領に思慮分別を求める」と表明。合意が改悪されればコロンビアは再び政治暴力の巷に陥るだけだ、と警告した。
 さらに次期大統領に会って話し合う用意があると強調した。

 対抗馬の左翼・中道左翼・進歩主義路線の「人間的コロンビア運動」のグスタボ・ペトロ候補は善戦したが、及ばなかった。

 選管発表では、開票率93%段階での得票率は、ドゥケ54・28%(1031万票)、ペトロ41・54%(800万票)。投票率は44・35%。

 第1回投票は5月27日実施され、候補者5人が出馬、ドゥケ39%、ペトロ25%で、それぞれ1、2位となり、決選に進出した。

 前評判を覆せなかったペトロは、「これは敗北ではない。800万人もが私に投票してくれた」と述べ、ドゥケ次期政権に対し、野党の立場で平和構築や腐敗掃討などに尽力すると表明した。

 FARCのティモチェンコも、「従来と異なる野党勢力が国会に生まれる」と述べ、ペトロらの活動への期待を表明している。

 ペトロは上院議員、その副大統領候補だったアンヘラ=マリーア・ロブレードは下院議員になる。1991年の改憲で、決選に進出し敗れた正副大統領候補にはそれぞれ上下両院議席が与えられることになったが、国会はこの規約を昨年4月ようやく承認した。

▼VEN外務省がニカラグアに関し声明発表

 ベネズエラ外務省は6月17日声明を発表、二カラグア反政府勢力による政治目的での暴力行使を糾弾した。声明はまた、マナグアの貧困地区で2人が路上で焼き殺され、一家6人が自宅を放火され焼死した最近の事件を非難した。

 そのうえで、問題解決は対話によるしかないと強調した。声明は、暴動鎮圧のため出動しているオルテガ政権系私服武装組織による殺傷には触れていない。

 一方、ベネズエラ政府と反政府勢力の若い対話を仲介しているホセ=ルイス・ロドリゲス=サパテロ元スペイン首相は15日カラカスで、野党の民主行動党(AD)、新時代(UNT)の代表および、国家選挙理事会(CNE,中央選管)の元幹部と会合した。

 サパテロはマドゥーロ政権が、反政府政治暴力事件などに関与し収監ないし拘禁されている囚人のうち、昨年12月69人、今年6月123人、計192人を釈放したのを、和解に貢献する措置として評価した。