2018年6月17日日曜日

 ニカラグア司教会議がオルテガ大統領に「来年3月29日選挙、4月15日就任」を提案▼大統領再選禁止含む改憲も▼生き残り戦略探るか、オルテガ・サンディニスタ体制

 ニカラグア政府と反政府勢力は6月15日、カトリック司教会議(CEN)の仲介で2週間ぶりに対話を再開した。首都マナグア市内にある聖母ファティマ神学校で開かれた。政府側首席代表はデニス・モンカーダ外相。

 双方は、①4月18日以来の一連の暴力事件による死傷者と加害者に関する調査を米州人権委員会(CIDH)が再開②国連と欧州連合の人権機関に対話参加を要請③米州諸国機構(OEA)事務局の介在④いかなる側からの暴力・脅迫も即時停止⑤双方による検証・治安委員会設置⑥いかなる監視活動も即時停止⑦道路交通を遮断している障害物の撤去⑧CEN調停案への政府回答めぐる討議実施ーで合意した。

 CENは7日、ダニエル・オルテガ大統領に、①大統領選挙を含む総選挙を2019年3月29日実施。大統領を含む当選者は翌4月15日就任②憲法改正ーを提案した。
 改憲は、選挙法改正、大統領再選禁止、最高裁判事任期延長に国会承認不可欠、などを定めるため。

 大統領は「対話の場で話し合う」と回答した。その「対話の場」は16日以降になる。オルテガが、21年10月予定の次期大統領選挙を2年半繰り上げて来年実施するCEN案に同意するか否かが焦点。

 同意する場合、向こう1年弱の間に生き残り戦略を探るはずだ。あるいは3月選挙案を数カ月遅らせる逆提案をする可能性もある。

 反政府活動と、これに対する政府側の弾圧が始まってから18日で2か月。死者は200人に近づいている。対話は、選挙繰り上げ実施の可否をめぐり山場に差し掛かっている。

▼TV番組で解説

 17日2100~2200のテレビ朝日「たけしTVタックル」の「軍事パレード」で、ペルーとコロンビアの特殊部隊などについて筆者は短く解説しました。その中で「(ペルー)アンデス地方の先住民族」とあるのは、「アンデス地方(の山岳高地でない低地の)先住民族」の意味です。ご参考まで。