2018年6月16日土曜日

 日本にメキシコ人2500万人を送り込めば即辞任だろう▼トランプ米大統領がG7会合で安倍首相に言い放つ▼メキシコ各紙が米紙報道基に伝える▼マクロン仏大統領にも言いたい放題▼米墨間で深刻な移民問題が野党大統領候補アムロの人気を押し上げる▼チェ・ゲバラ生誕90周年式典催さる▼ロサリオ市ではホセ・ムヒーカ氏が記念演説

 「ドナルド・トランプ米大統領は安倍晋三首相に対し、<君にはこの問題(移民問題)はないが、私はメキシコ人2500万人を日本に送り込むことができ、そうなれば君はすぐに辞めなければならなくなるだろう>と言った」

 メキシコのウニベルサル、レフォルマなど各紙電子版や、「シンエンバルゴ」など電子新聞は6月15日、一斉に報じた。同日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の転電。

 WSJは、カナダで8、9両日開かれたG7首脳会議の際の非公式会合でトランプ大統領が例え話として発言したと、「その場にいた欧州連合(EU)高官の話」として伝えた。

 転電記事はまた、トランプ大統領がエマニュエル・マクロン仏大統領に対し、「君はこの問題(テロリズム)を認識せねばならない。なぜなら全テロリストがパリにいるからだ、と言った」と報じている。

 トランプ政権が昨年1月発足して以来、メキシコにとり在米同胞移民への扱いは深刻な問題となっている。「国境の壁」建設、TLCAN(北米自由貿易条約=協定=NAFTA)見直しを含め、制度的革命党(PRI)の現政権は押しまくられっ放し。

 これが、野党の大統領候補AMLO(アムロ=アンドレス=マヌエル・ロペス=オブラドール)の人気を押し上げる主要な要因の一つとなっている。7月1日の大統領選挙でのAMLO当選が有力視されている。

▼ゲバラ生誕90年記念式典催さる

 玖サンタクラーラ市のラス・ビージャス中央大学講堂で6月14日夜、チェ・ゲバラの側近だったラミーロ・バルデス革命司令官(86、国家評議会副議長)、エステバン・ラソ人民権力全国会議(国会)議長、共産党幹部ら多数が出席し催された。

 詩人の故ニコラース・ギジェンの作品「チェ、コマンダンテ」(司令官チェ)の朗読、チェ・ゲバラに関係する音楽、歌、舞踊も披露された。

    またゲバラの生地である亜国サンタフェ州ロサリオ市で14日催された記念式典には、ホセ・ムヒーカ前ウルグアイ大統領が来賓として出席し、モニカ・フェイン市長、ミゲル・リフシッツ州知事らを前に演説した。

 「エル・チェは思い通りに生き死んでゆこうと企図した。社会的戦士だった。写真に写るだけの夢想家でなく、理想と共に歩む模範的人物だった。その理想を実現しようとした」と述べた。